流通大手イオングループの電子マネーWAON(ワオン)は、2007年4月のサービス開始以来、イオンを始めとする大手スーパーその他で使える電子マネーということで、発行枚数・取扱高ともに急上昇。人気・実力ともトップクラスの電子マネーへと成長を遂げました。
ただ、電子マネーWAONを単体で考えるとそうでもないのですが、2016年6月にスタートした共通ポイント『WAON POINT』などとの絡みで考えるととても複雑で分かりにくくなってしまっております。
そこで、このページでは電子マネーのWAONをじっくり紹介するとともに、WAONを利用する方にとってお得なクレジットカードもいくつか紹介したいと思います。
電子マネー(事前チャージが必要なプリペイド型)の一種で、セブン&アイ・グループのnanacoやJR東日本のSuica、楽天の楽天Edyなどと同類です。イメージキャラクターの白い犬(Happy Waonと言う名前だそう)や「わおん♪」という決済音で有名です。
電子マネーとしては後発組(2007年4月スタート)ながら、流通大手のイオングループの電子マネーということで年間利用金額・件数は数ある電子マネーの中でもトップクラス。イオングループの巨大さを痛感させられます。ちなみに、2015年度の利用金額は、同年市場規模の実に4割を超える2兆円越えを達成しています。
電子マネーWAONを使うメリットは他の電子マネーと大きく変わりませんが、第一に支払いが速くて簡単だということ。レジで小銭やお札をいちいち数える必要もありませんし、キリ良くするにはいくら出したらいいかなどと計算する必要もありません。また、端末にかざすだけで一瞬で支払いが終わるため、現金払いなどと比べると支払いの速さは段違いのものになります。
もう一つのメリットはお得だということ。利用金額に応じてポイントがもらえるほか、購入商品によってはプラスαのボーナスポイントがもらえる場合もあります。
メリットとしてはこんなところでしょうか。まとめると、速い・簡単・お得ということ。イオングループのお店など近隣に利用環境がある方にとっては利用しない手はないでしょう。
電子マネーWAONは、イオングループとグループ外の加盟店で利用することができます。コンビニではミニストップとローソン、ファミリーマートなど。ライバルのセブン-イレブンでは利用できません。
下の表は使えるお店の一例です。使えるお店は随時増えていくので、必要な方は公式サイトで確認してください。また、使えるお店が使えなくこともありますのでご注意下さい。
ジャンル | お店 |
---|---|
スーパー | イオン、ダイエー、マックスバリュ、まいばすけっと、カスミ |
ショッピングセンター | イオンモール、イオンタウン、ビブレ、OPA、セルバ、ジョイナス |
コンビニ | ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、セイコーマート、 |
ドラッグストア | ウエルシア、ツルハドラッグ、ドラッグ セイムス、スギ薬局グループ |
家電 | エディオン、ビックカメラ、コジマ、上新電機 |
飲食 | マクドナルド、吉野家、かっぱ寿司、安楽亭、ドミノ・ピザ、コメダ珈琲店、上島珈琲店、CoCo壱番屋、ステーキのどん |
なお、電子マネーWAONの加盟店とイオングループの共通ポイント『WAON POINT』の加盟店は、それぞれが違う時期にスタートしたことも関係してか、必ずしも一致しておりませんのでご注意下さい。
電子マネーWAONを利用するにはWAONを作らなければなりませんが、種類がいくつもあるので少し分かりにくいです。大きく分けると①カード型と②モバイル型。さらにいくつかのタイプに分かれます。
カード型のWAONはさらに数種類に分けられますが、発行に際して税込300円の発行手数料が掛かる場合もあるので初期費用を掛けたくない方は特に注意して下さい。
種類 | 発行手数料 | 説明 | 入手方法 |
---|---|---|---|
WAONカード | 税込300円 | オーソドックスなWAONカードやご当地WAON、サッカー大好きWAONなど様々なWAONがあります。 | イオン・ビブレなどイオングループ各店、一部加盟店の店頭で購入できる |
キャッシュカード一体型 | 無料 | イオン銀行のキャッシュカードにWAON機能が付いたカード | イオン銀行店舗やネットから口座開設の申込 |
クレジットカード一体型 | イオンカードにWAON機能が付いたカード | ネット・郵送等でクレジットカード申込 |
どのカードも電子マネーWAONが利用できるという点では共通していますが、カード毎に機能面に違いがあることにご注意下さい。例えば、クレジットチャージに対応しているものもあれば、ないものもあったりします。
また、WAONカードによっては、特定のクレジットカードの作成が必要になるなど条件付きのものもあります。例えば、三井住友カードWAONを作成する場合には、あらかじめ三井住友カード発行のクレジットカードの作成が必要となります。
なお、キャッシュカード一体型・クレジットカード一体型以外のWAONカードは、発行手数料(税込300円)が掛かりますが、WAONカードによっては、発行手数料と同額の300WAONポイントがもらえるキャンペーン的なものを実施しているケースもあります。
一部しか調べていませんが、近畿日本ツーリストWAON(1万枚限定)やスポーツオーソリティWAONなどが300WAONポイント付与を実施しています(2018年12月調べ)。その他も実施の可能性はありますが、カードの種類が多すぎて調べていません。興味のある方は各自お調べ下さい。
カードを増やしたくない方はスマホにアプリをダウンロードして利用するモバイルWAONがおすすめ。無料で始められるメリットがあるほか、残高・取引履歴の確認などがスマホでできるので利便性にも優れています。イオンカードを持っていれば、スマホからのクレジットチャージも可能です。
アプリの種類は三つ。①モバイルWAON、②モバイルJMB WAON、③Google Pay。2018年12月時点ではおサイフケータイ対応のAndroidスマホに限られており、Apple Payには未対応となっています。
それぞれのアプリは機能・サービス面で若干違いがありますのでご注意下さい。詳しくは公式サイトで確認を。アプリのダウンロードもリンク先からできます。
おすすめはモバイルWAONです。カードを作る必要がないので発行手数料が掛かりません。残高や利用履歴の確認などスマホ上でできるので利便性も◎。ただ、学生の場合、圧倒的にiPhone利用者が多いでしょうから、モバイルWAONを利用する人は少数派になるかもしれません。
次ぎに、発行手数料が掛からないクレジットカード一体型もおすすめです。イオンカード(WAON一体型)など考えられる候補はいくつかありますが、イオン銀行に銀行口座を作ってもいいという方には、オートチャージでポイントがもらえるイオンカードセレクトがおすすめ。
WAONへのチャージ方法は複数あります。
なお、チャージ上限金額は50,000円で1回当たりでは最高49,000円まで1,000円単位でチャージできます。
現金チャージは簡単にできます。①WAONチャージャーか②イオン銀行ATM、あるいは③WAON加盟店のレジで行うことができます。WAONチャージャーやイオン銀行ATMなら画面の指示に従って操作すればいいだけですし、レジならお店の人に言ってチャージ分の現金を渡せばOK。
クレジットカードのカード払いでWAONにチャージすることはできますが、イオンカード(WAON一体型)など対応カードが限られています。チャージの際は、WAONステーションやWAONチャージャー、イオン銀行ATMなどから行うほか、モバイルWAONから行うこともできます。
イオン銀行に銀行口座をお持ちの方だけが利用できるチャージ方法です。従って、イオン銀行のキャッシュカードやキャッシュカード機能付きのクレジットカード(イオンカードセレクト)などが無ければ利用できません。
イオン銀行の口座からWAONへチャージするには、①イオン銀行ATMを操作して行うか、②WAONネットステーションというネットサービスを利用して行うことになります。②の場合、パソリなどのICカードリーダライタが必要になるのであまり一般的ではないと思います。
電子マネーWAONの利用で貯まった電子マネーWAONポイントは、1ポイント=1円としてWAONにチャージして利用できます(ポイントチャージ)が、ポイントチャージは以下の端末で行うことができます。
WAONステーション、WAONチャージャーmini、イオン銀行ATM、Famiポート、モバイルWAONアプリ、WAONネットステーション。
プリペイド方式の電子マネーの厄介なところは事前にチャージが必要なこと。上限の50,000円までチャージしておけば、それほど頻繁にチャージする必要はありませんが、用途が制限されるWAONばかりにお金を入れておくわけにはいきません。
そんなときに便利なのがオートチャージ機能です。会計の際、支払い後のWAON残高が指定残高未満になった時に自動で指定金額をチャージしてくれます。これによりチャージの煩わしさから大分解放されます。オートチャージの設定は、WAONステーションやイオン銀行ATMから設定できます。
なお、オートチャージができるWAONはイオンカード(WAON一体型)やイオンカードセレクトなど限られているほか、カードによって1日当たりのオートチャージ回数に制限がありますのでご注意下さい。
羽田空港と福岡空港の国際線ターミナルで利用できるサービスで、ポケットチェンジという外貨両替サービスの端末を利用します。海外旅行で余った紙幣や硬貨を円換算し、手数料を差し引いた分をWAONにチャージします。対応している通貨は、米ドル、ユーロ、中国元、韓国ウォンの4つ。
まずはWAONが使えるお店かどうかを 見極める必要があります。店頭あるいはレジ付近に右のようなWAONのロゴマークを探します。あればWAONが利用できるということなので、店員さんにWAONで払う旨を伝えます。
端末に金額が表示されたらWAONをかざして支払い完了です。その際に『わおん♪』という決済音が鳴りますので、それが決済完了の合図になります。なお、端末によっては、複数の電子マネーの中から自分が払おうとしている電子マネーをボタンで選ぶタイプのものもありますのでご注意を。
電子マネーWAONを利用すると電子マネーWAONポイント(単にWAONポイントと表記することもある)が税込200円に付き1ポイントもらえます。ポイントは1ポイント=1円として1ポイントからWAONにチャージ(ポイントチャージと言います)して買い物に利用することができます。
ポイントチャージは、イオンのお店などに置いてあるWAONステーションやイオン銀行ATMなどで行えるほか、モバイルWAONをご利用の方はスマホ上で行うこともできます。
なお、電子マネーWAONカードは、電子マネーWAON会員に登録しなくても利用できますが、電子マネーWAON会員に登録をするとイオングループの共通ポイントであるWAON POINT会員に自動登録され、WAON POINTが貯まる(WAON POINT加盟店やイオングループ各店でご利用の場合)ようになり、税込200円につき1WAON POINTもらえるほか、月間利用額500円(税込)に付き別途1WAON POINITがもらえるようになります。
ただし、電子マネーWAON会員に登録をした場合でも、WAON POINT未加盟店やイオングループの一部店舗では、電子マネーWAONポイントが付与されます。複雑で分かりにくいと感じる方も少なくないと思います。
下の表は、電子マネーWAON会員に登録した場合としなかった場合で貯まるポイントの種類を表したものです。
電子マネーWAON会員登録 | イオングループ各店・WAON POINT加盟店 | イオングループの一部店舗・WAON POINT未加盟店 |
---|---|---|
登録済 | WAON POINT | 電子マネーWAONポイント |
未登録 | 電子マネーWAONポイント |
WAON POINTはイオンなどに設置してあるWAONステーションなどで一旦電子マネーWAONポイントに交換(ダウンロード)してから電子マネーWAONにチャージ(ポイントチャージ)して利用します。
電子マネーWAONポイントだったり、WAON POINTだったり分かりにくいと思いますが、この辺は別ページで詳しい説明を設けたいと思います。
電子マネーWAONのみの機能を有した単体のWAONカードの場合、利用者自らが電子マネーWAON会員に登録することで、共通ポイントのWAON POINTが貯まるようになる(同時にWAON POINT会員にもなる)のに対し、イオンカード(WAON一体型)やイオン銀行キャッシュカード、モバイルWAONなどをご利用の方は、自動的にWAON POINT会員になるので別途会員登録は不要です。
WAONで買い物をすれば税込200円毎に1円相当のポイントがもらえるのが基本ですが、それ以外にお得な使い方をいくつか紹介します。※繰り替えしの説明も一部含まれます。
イオングループでは、毎月20・30日のお客さま感謝デー(5%OFF)などの優待イベントを開催しており、電子マネーWAON利用者は、それら優待サービスを受けることができるので、一人暮らしをしている学生でイオングループのスーパーなどで食材や日用品の購入機会が多い方は、優待開催日を狙って行くとお得です。
以下は、WAON利用者が利用可能な優待特典を一覧にしたものです。
優待イベント | 時期 | 優待内容 |
---|---|---|
お客さま感謝デー | 毎月20日と30日 | イオングループの対象店舗でのお買い物が5%OFF |
ありが10デー | 毎月10日 | イオングループの対象店舗でのお買い物がポイント5倍 |
お客さまわくわくデー | 毎月5の付く日 | イオングループの対象店舗でのお買い物がポイント2倍 |
毎週土日はタッチで電子マネーWAONポイントプレゼント | 毎週土日 | ハッピーゲート端末に電子マネーWAONをタッチすると2WAONポイントプレゼント |
電子マネーWAONでは、利用時に税込200円に付き1ポイントもらえますが、オートチャージを利用した場合にもポイントがもらえるケースがあります。その場合、チャージ時と利用時の二回ポイントがもらえるため、倍のペースでポイントを蓄積していくことが可能です。電子マネーをお得に利用する際の王道ですね。
で、オートチャージでポイントがもらえるのは、イオン銀行発行のクレジットカード『イオンカードセレクト』かイオン銀行のキャッシュ+デビットカードをお持ちの方がオートチャージ設定をした場合です。他の場合ではチャージ時のポイント付与は行われませんのでご注意下さい。
繰り返しになりますが、電子マネーWAONは会員登録などしなくても利用できますし、ポイントを貯めたり使ったりできますが、会員登録すると月間利用額500円毎に1ポイントが別途付与されるので、できれば会員登録することをおすすめします。これに関しては当ページ内の『ポイントの貯め方・使い方』の箇所で詳しく説明しています。
電子マネーWAONをイオングループのお店やWAON加盟店で利用すると税込200円に付き1円相当のポイントがもらえますが、イオンカード(WAON一体型)やイオンカードセレクトといったイオン銀行発行のクレジットカードをイオングループのお店でクレジット払いで利用すると、いつでもポイント2倍となるため、電子マネーWAONで支払うより断然お得です。
特に一人暮らしでイオングループのスーパーを日頃から利用している学生は、イオン銀行のキャッシュカード機能を兼ねたイオンカードセレクトの活用をおすすめします。
イオン銀行の口座開設を伴いますが、イオングループでいつでもポイント2倍になるばかりでなく、アルバイト代の給与振込や携帯料金を含む公共料金の引き落としにイオン銀行を指定した場合、条件に該当すると毎月WAONポイントが自動的にもらえます。※給与の場合は10WAONポイント、公共料金の場合は5WAONポイント。
電子マネーWAONはもちろん、共通ポイントのWAON POINT機能、クレジットカートという三つの機能が一枚になったおすすめの二枚を紹介します。いづれも、単体のWAONカード(税込300円掛かる)と異なり年会費無料で作れます。なお、WAON機能付きクレジットカードはトップページのカード一覧で簡単に検索可能です。
本文中でも何度か登場しましたが、おすすめの一枚目はイオンカード(WAON一体型)。イオングループでいつでもポイント2倍になるほか、各種割引・優待サービスを受けられます。イオンカードセレクトと違い、イオン銀行に口座開設しなくても作れます。
似たような券面ですがこちらはイオンカードセレクト。オートチャージ設定をするとチャージ金額200円毎に1ポイントもらえるWAON利用で最もお得なクレジットカード。
発行枚数や加盟店数などWAONに関する基本データをまとめました。何かの参考に・・。
開始年月 | 2007年4月 |
---|---|
発行枚数 | 約6,450万枚(2017年4月) |
加盟店数 | 約287,000カ所(2017年4月) |
チャージ上限金額 | 50,000円 ※モバイルは20,000円に初期設定されています |
1回のチャージ金額 | 1,000円~49,000円(1,000円単位) |
チャージ方法 | 現金、クレジットカード、イオン銀行口座振替、オートチャージ、ポイント、外貨 |
運営会社 | イオンリテール株式会社 |
最終更新日:2018年12月23日