QUICPay(クイックペイ)は、ジェーシービーが運営する電子マネー。QUICPay機能が搭載されたカードやスマホを端末にかざすだけで一瞬で支払い完了。早くて正確、しかもポイントがもらえてお得です。コンビニやファミレスなど多くのお店が加盟店になっており、使い勝手も抜群です。
なお、サービス開始より、他の電子マネーと比べて利用者獲得に苦戦しているように見えたQUICPayですが、2016年10月にスタートしたApple Pay(iPhoneなどアップル製デバイスで利用できる電子決済サービス)で利用可能な電子マネーとなったことが影響してか、近年利用者が急増しています。
このページでは、そんなQUICPayについて徹底解説するとともに、QUICPayを利用する方におすすめのクレジットカードを紹介したいと思います。
QUICPayには次のような特徴があります。
支払金額を確認し、店頭設置の決済端末にカードやスマホをかざすだけなのであっという間に支払いを終えることができます。まさに秒速の世界です。
QUICPay利用分に対してポイントがもらえるので現金払いより断然お得。どの程度のポイントがもらえるかは、登録した決済用カード毎に異なります。
決済用カードにクレジットカードを登録すると、nanacoやWAONのようなプリペイド型の電子マネーのようにチャージ(入金)する必要がなくなります。
QUICPayは店頭設置の端末に自分でカードやスマホをかざせばよいので、店員にカード等を渡さず会計ができます。店員にカードを渡すのが不安だという方にも適しています。
QUICPayには、人気のクレジットカード一体型から専用カード型、モバイル型、コイン型、キーホルダー型など沢山の種類があります。なお、紐付けするカードの発行会社により選べる種類が異なります。
QUICPayを他人に不正使用されるなど、損害を受けた時には、登録した決済用カードが提供する補償制度により補償が受けられます。
QUICPayは、nanacoやWAONなどと異なりQUICPayそのものにあらかじめ入金して利用するタイプの電子マネーではなく、クレジットカードなど決済用カードと紐付けして利用するタイプの電子マネーで、決済用カードの種類の応じて以下のように支払いの仕組みが異なります。また、利用限度額も紐付けした決済用カードの種類により異なります。
なお、1会計当たりの利用上限額はQUICPay加盟店で2万円迄、QUICPay+対応加盟店で2万円超(ただし、QUICPay+の利用者限定)となっています。
決済用カード | 支払いの仕組み | 利用限度額 |
---|---|---|
クレジットカード | 他のカードショッピング利用分とともに後日まとめて請求 | クレジットカードの限度額 |
プリペイドカード | プリペイドカードのチャージ分から即時に引き落とし | チャージ額 |
デビットカード | 銀行口座から即時に引き落とし | 預金残高 |
QUICPayはサービス開始より、『後払い型の電子マネー』と言われてきましたが、QUICPay+の開始で、決済用カードにプリペイドカードなども利用できるようになったことから、必ずしも後払い型ではなくなっています。
QUICPayには、従来からのQUICPayとQUICPay+という二つのサービスがあります。QUICPay+はQUICPayのサービスを拡張した新サービスと言われておりますが、1会計当たりの利用上限額が変わったのと、紐付けできる決済用カードの種類などに違いがあります。
以下、具体的に両者の違いを見てみましょう。
QUICPayの加盟店には、従来からのQUICPay加盟店とQUICPay+対応加盟店がありますが、店頭やレジ付近に表示されるロゴマークで見分けることが可能です。
以下のように加盟店の種別、利用するQUICPayサービスの種類などによって1会計当たりの利用上限が異なるほか、利用するQUICPayサービスの種類によって登録できる決済用カードが異なる点にご注意下さい。
利用サービス | 決済用カード | 1会計当たりの利用上限 | |
---|---|---|---|
QUICPay加盟店 |
QUICPay+加盟店 |
||
QUICPay カード型・QUICPayモバイル利用者等が該当 |
クレジットカード | 2万円以下 | |
QUICPay+ ※Apple Pay利用者などが該当 |
クレジットカード | 2万円以下 | 2万円超も可 |
プリペイドカード/デビットカード | 使用不可 |
なお、QUICPay+が利用できるのは、iPhoneなどで利用できる電子決済サービス『Apple Pay』かAndroid端末で利用できる『Google Pay』のQUICPayを利用した場合などに限られます。カードタイプでQUICPay+を利用できるケースはありませんのでご注意下さい。
また、上の表で大事な点をあげるとすると、従来型のQUICPayサービス(カードタイプのものやQUICPayモバイルなど)をご利用の方は、QUICPay加盟店とQUICPay+対応加盟店のどちらも利用できるということ。1会計当たりの利用上限額を2万円超に引き上げたいと思っていないのであれば、わざわざQUICPay+に切り替える必要はないということです。
※QUICPayモバイルは、おサイフケータイ対応のスマホや携帯電話で利用できるQUICPayの一種です。
QUICPayではクレジットカードしか決済用カードとして登録できませんでしたが、QUICPay+では、対応カードは少ないもののプリペイドカードやデビットカードの登録も可能です。※Apple Payではデビットカードの登録はできません。
以下の表は、使えるお店のほんの一例ですが、急ピッチでQUICPay+対応加盟店への転換が進んでいるようです。繰り返しになりますが、従来型のQUICPay(カード型やQUICPayモバイルなど)を利用している方でも、QUICPay+対応加盟店でも使えるので(1会計当たり2万円以下という制限はありますが)心配は無用です。
ジャンル | QUICPay+対応加盟店 | QUICPay加盟店 |
---|---|---|
コンビニ | セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、ポプラ、スリーエイトなど | - |
ガソリンスタンド | - | エネオス、昭和シェル石油、エッソ・ゼネラル・モービル |
ドラッグストア | ウエルシア薬局、ツルハドラッグ、スギ薬局、ジャパン、ドラッグセイムス、ココカラファイン、くすりの福太郎など | - |
飲食 | マクドナルド、牛角、木曽路、ロイヤルホスト、ジョナサン、バーミヤン、すき家、はま寿司、コメダ珈琲店、タリーズコーヒーなど | 藍屋 |
家電 | ビックカメラ、コジマ、エディオン、ジョーシン | - |
QUICPayにはいくつもの種類があります。どの種類ではじめるかは各人の自由ですが、決済用カードの発行会社によって選べるQUICPayの種類が異なりますのでご注意下さい。以下では、QUICPayの種類を紹介するとともに、各種類毎のおすすめカードを紹介します。
クレジットカード本体にQUICPay機能が搭載された人気の一体型。一枚で持てるのでカード枚数を減らしたいという方におすすめ。クレジットカードに電子マネー、各種ポイントカードとカード枚数はどうしても増える傾向にありますので一枚二役のクレジット一体型は重宝します。ただし、一体型を発行しているカード会社は少ないので選択肢はあまり多くありません。
クレジット一体型のQUICPayを選ぶなら、年会費無料でポイント還元率の高いOrico Card THE POINTがおすすめ。NTTドコモが運営する電子マネーiDも同時搭載している多機能カードです。
QUICPay機能だけが備わった専用カード。クレジットカードを普段持ち歩きたくないという方におすすめ。クレジットカードの『追加カード』として発行されるため、QUICPayカード単体での申込・作成はできません。
このタイプのカードを探してる学生には、年会費無料でポイント還元率1.0%のJCB CARD W(女子学生にはJCB CARD W plus L)がおすすめ。共通ポイントのPontaを貯めている方には、還元率1.2%のリクルートカード(JCBブランド)もいいでしょう。
おサイフケータイ対応のAndroidスマホや携帯電話にQUICPayモバイルアプリをダウンロードして利用します。おサイフケータイ対応機種であるかどうかは、右のFelicaマークが機種本体(通常裏側)にあるかで見分けることができます。紐付け可能なクレジットカードはカード型と比べて沢山あります。
iPhoneやApple Watchをお持ちの方は、Walletアプリにクレジットカードやプリペイドカードを登録すると、QUICPay、あるいはiDとして利用できるようになります。どちらになるかはカード発行元の会社により異なります。※iPhoneは7以降、Apple Watch Series2以降がApple Payに対応しています。
おサイフケータイ対応のAndroidスマホをお持ちの方は先に紹介したQUICPayモバイルを利用する手もありますが、電子決済サービス『Google Pay』からQUICPayを利用することもできます。クレジットカードなど決済用カードを登録し、QUICPayの設定をすれば簡単に始められます。
なお、決済用のクレジットカードに対応しているのは、現状(2019年1月現在)では、ジャックスカードかジェーシービーに限られていますが、ポイント還元率の高いJCB CARD W(還元率1.0%)などがおすすめです。
※Google Payを利用するには、おサイフケータイアプリ(6.1.5以上)対応かつAndroid5.0以上のデバイスが必要です。
セブンアンドアイ・グループの電子マネーnanacoカードにはQUICPay機能が搭載されているため、利用手続きをすることでQUICPayとして使えます。一枚二役をこなせる優秀なカードです。
ちなみに、QUICPayは、決済用に登録したカードのポイントプログラムに従ってポイントが付くため、QUICPayそのものにポイントが付くことは通常ありませんが、QUICPay(nanaco)に関しては、セブン-イレブンで使用した場合に限り、200円(税抜)に付き1nanacoポイント(還元率0.5%)が付くようになっています。
QUICPay(nanaco)の登録用カードは、JCB CARD Wがおすすめ(特にセブン-イレブンを利用する人は絶対)。セブン-イレブンで利用すると、0.5%相当のnanacoポイントがもらえる上に、JCB CARD Wの利用分として2.0%相当のポイントがもらえる(通常は1.0%ですが、セブン-イレブンは、JCB ORIGINAL SERIESパートナーということで2.0%分ポイントがもらえる)ので合計2.5%ものポイント還元が得られます。
仮にポイント還元率1.2%のリクルートカード(JCB)をQUICPay(nanaco)に紐づけた場合、セブン-イレブン以外ではJCB CARD Wよりも多くのポイント還元が得られますが、セブン-イレブンに関しては0.5%+1.2%=1.75%とJCB CARD Wに劣ります。
なお、QUICPay(nanaco)に登録可能なクレジットカードを発行しているカード会社は、ジェーシービーとセディナ、セブン・カードサービス(セブンカード・プラス)となっています。
コインやキーホルダーなどちょっと変わったQUICPayもあります。
QUICPayコインは、硬貨と同じように小銭入れに入れたり、ランニングの際などに別売りのリストバンドを使って身に付けることができます。QUICPayコインを利用するにはJCBカードが必要です。発行手数料・年会費等は不要です。
ANA nanaco+QUICPayは、キーホルダータイプのQUICPay。ANA国内線のSKiP(スキップ)サービス、電子マネーnanacにQUICPayと一つで三役をこなす機能の豊富さが魅力。ANA JCBカード会員のみ作れます。発行手数料は330円(税込)。
キーホルダータイプのQUICPayで、エッソ・ゼネラル・モービルのセルフステーション『エクスプレス』で給油の支払いに利用できるほか、QUICPay、nanaco機能も搭載。各種JCBカード、セブンカード・プラスなどが対応しています。発行手数料330円(税込)。※エッソ・ゼネラル・モービルの各店は、2019年7月までに順次ENEOSに変わります。
QUICPayには元々沢山の種類がありましたが、QUICPay+という新サービスが加わったことでさらに選択肢が増え、複雑化してしまった感じがします。 そこで、QUICPayをはじめるに当たって、どのタイプのものを選べばいいか、好みに応じて分かるよう表にしてみました。
好み | 決済カード | QUICPayの種類 |
---|---|---|
2万円以内での買い物で使えればいい | クレジットカード | クレカ一体型/専用カード型/QUICPay(nanaco)/QUICPayモバイル/その他 |
2万円超の買い物にも使いたい | クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード | Apple Pay(iPhoneなど)、Google Pay(Android端末) |
クレカに紐付けして使うのは嫌だ | デビットカード、プリペイドカード | |
モバイル決済は嫌だ | クレジットカード | クレカ一体型/専用カード型/QUICPay(nanaco)/その他 |
モバイル決済がいい | クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード | Apple Pay(iPhoneなど)、Google Pay(Android端末)、QUICPayモバイル(おサイフケータイ) |
使い方は至って簡単です。まずはQUICPay払いができるか否かを確認します。可能な場合は、店頭やレジ付近にQUICPayのロゴマークが表示されているのですぐに分かります。
払えることが分かったら、店員にQUICPayで払うことを伝えて、端末(リーダー)にQUICPayをかすだけであっという間に支払いは完了します。その際に、端末に表示されている金額が正しいことを確認して下さい。
QUICPay利用分は、決済用カードとして登録したカードの仕組みに従って支払うことになります。クレジットカードの場合は、後日、他のクレジット利用分とともに引き落としされますし、プリペイドカードの場合は、即座に残高から差し引かれます。
なお、iPhoneやAndroid端末でApple PayやGoogle Payを利用している方で、決済用カードにプリペイドカードやデビットカードを指定している人は、従来型のQUICPay加盟店を利用できませんのでご注意を。QUICPay+対応加盟店のみになります。
QUICPayを利用するのにおすすめの三枚を紹介します。いずれも本文中で紹介したものですが、それぞれ比較できるよう表にしています。なお、三枚とも年会費無料でポイント還元率が高いのが特徴。どれを選んでもメインカードとして日常生活の多くのシーンでいい働きをしてくれるはずです。
カード名 | Orico Card THE POINT | JCB CARD W | リクルートカード JCB | |
---|---|---|---|---|
年会費 | 無料 | |||
ポイント還元率 | 1.0% | 1.2% | ||
QUICPay | 一体型 | 〇 | × | × |
専用カード | × | 〇 | ||
QUICPay(nanaco) | × | 〇 | ||
QUICPayモバイル | 〇 | |||
Apple Pay | 〇 | |||
Google Pay | × | 〇 | ||
特徴 | 希少な一体型QUICPay。還元率が高く何に使用してもお得だが、ネット通販で使用するとさらに強みを発揮します。 | 対応QUICPayが豊富。女子学生ならJCB CARD W plus Lがおすすめ。人気の定番カードが欲しいという方は要検討。 | 還元率で選ぶなら筆頭候補。共通ポイントのPontaを貯めている学生に使ってもらいたい一枚です。 |
QUICPay対応クレジットカードのうち、学生でも作れるものをピックアップしました。カード毎に選べるQUICPayの種類が異なりますが、以下では、QUICPayの種類に応じてクレジットカードを絞り込めるようになっています。
なお、リクルートカードとJALカードnaviのVISA/Mastercardは、Apple Payのみ対応しています。以下のリストではJCBブランドのリクルートカード、JALカードnaviに基づいて表示されるようになっています。ご注意下さい。
最終更新日:2019年1月11日